じゅうさん

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  頬を膨らませる僕を見て 貴方は柔らかく微笑んだ 「七夕に誰にも見られずに飾ると願い事叶うんだよ」 「え!?そうなの!?」 「うん、願い事も見られたらダメなんだよー だから内緒」 僕の目線に合わせてしゃがみこんだ貴方は 僕の額に唇を落として空を見上げて呟いた そんな話聞いたことない 空から僕へ視線を移した貴方はきれいな笑顔 「僕のお願い事叶わないよ…」 「はは、大丈夫だよ」 「え?」 「何があっても、俺はお前のそばにいるから」 一生一緒にいるって約束をした雪の日の貴方を思い出した 雪の中に埋もれて 苦しいくらいのキスをして あのときは本当に幸せそうで ねぇ、その顔はなんて表せばいいの?
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