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初めて見るそれに
僕はただ見入る
「凄い…ね、角、おっきい…」
「だろ?烏が喜ぶと思って」
僕の手の平を歩くそれは
大きな角を揺らして
その存在を主張する
取ってきた鷹はとても得意気
いつも僕の喜ぶ事を考えてくれてる鷹は大好き
だけど、時々思うの
どうして僕が鷹じゃなかったんだろうって
「後で逃がしてあげてね」
「なんでだよ、せっかく」
「狭いかごの中は
寂しいんだよ?」
自由な鷹を見ていると
かごの中の自分はとても惨め
虫かごに戻されようとしていたカブトムシが
惨めな自分と重なって見えて
ボク ハ イマ
ドンナカオ ヲ シテ
ワラッテルカナ
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