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「おーい!ちーちゃぁん」
175センチ位だろう。僕より背が少し高い少年が無駄な程
明るい声で前方にいる僕に叫ぶ。
「なに?」
僕は呼ばれた少年に聞こえるか聞こえないくらいの声で低く答えた。
「なにおこってんだょぅ」
前方にいた僕の右側に追いつき少年は左手で僕の肩に手を回して、
手が回されていない方の肩にあごをすり付けてくる。
「ちょっ…!汗つく!ていうかあごすりは教室だけにしろや」
僕は迷惑そうな顔をして少年のあごを力任せに押しのける。
ちなみにあごすりとは顎を相手の肩に擦り付けるという行為のことで
いまでは全校生徒が知っているほど有名な行為である。
しかし僕はそのルーツを知らないしやったこともない。
そもそも流行というものにあまり興味はない。
何で人の真似をしなければならないのかが僕には理解できない。
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