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「だって俺…」
気のせいだろうか。
少年はほのかに頬を赤らめているように見える。
「もういいよ。はやくせんと遅刻するよ」
そう言って僕は少年を置いて走り出した。
「待てって倉井ぃ!」
「今度は名字呼ぶ捨てかよ。」
そう。この少年は僕の呼び名をコロコロ変える。
名前は酒井悠(さかいゆう)
「だって倉ちゃんいちいち怒るから面白いんだもん」
「…。」
僕はからかわれているという行為が一番嫌いだ。
馬鹿にされているようで。
だからコイツをどうにかして欲しいといつも寝る前に思う。
もし正義の味方的な生き物がいるんだったらコイツをやっつけてほしい。
僕の心の平和も守ってよ。
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