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蒸し暑い夜。2人の男は、草むらにそっと潜んでいた…何かを狙うがために…
「わしゃやるぞ、以蔵…わしゃ」
以蔵は聞き流した。というより、集中して聞いていなかった。
「わしゃあん人の為ならやれる…わしゃやれる…」
以蔵は、暗示の如く独り言を、何回も呟き続けた。
その時、獲物が闇夜から出てきた。
以蔵は武者震いに似たような、震えを覚えた。
と思った瞬間、バッ!と勢いよく飛び出し、その獲物に向かって白刃を振るった…
「天誅!」
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