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右に良樹、左に春奈と幼い俊也と手をつなぎ、父と母の幸せそうな顔が写っている。
俊也はというと、カメラというものがまだ分からないのだろう、
レンズを見ず、その愛くるしい目を母に向けて、満面の笑みで写っている。
この写真は、俊也にとって宝物でもあり、母の形見でもあった。
毎朝起きたとき、はじめに目に入るのはこの三人である。
しかし、今朝はちがった。
これが朝感じた違和感だろうと俊也は納得し、写真立てから中身を出し、傷や汚れが付かないように透明なケースにいれてから、
彼はそれをバックの中へとすべりこませた。
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