プロローグ

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『ワアァァーー』  大きな歓声のなか彼はスタジアムの中心に姿を現した。 長身の黒髪で肌は少し黒い、スラッとした体ではあるがほどよく筋肉がついている。右脚には大きな傷痕が残っている。 彼の着ているユニフォームは白と黒のシンプルな色ではあるが、背中には大きく『JAPAN 14』と赤文字で書いてある。 そう彼こそが日本サッカー界に革命をもたらした『荒野の幻影』神野俊也(かみの としや)である。 彼の両の脚から繰り出される優雅で大胆、かつきめこまやかなボールさばきはそれこそ相手プレイヤーにはボールどころかその脚さえ幻にみえてしまうのである。
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