第一章 一日の終わり

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みなさん、怖がることはありません。 たとえこの学校でサッカーをやめても次があります。 あなた方にはまだ大学、専門学校という道があります。 そこでもう一度サッカーをはじめることができます。そう、新たなる可能性へ向けて・・・。 だから、どうか堅くならずいつもどおりのプレーをみせてください。 それがあなた方の最高の動きなのですから・・・。  さて、最後に現レギュラーの三年生の諸君、君たちは・・・」  監督が熱烈に語っている中、不意にアキラは俊也にささやいた。  「ほんっとに人が悪い監督だよなぁ。オレら二年に遠慮せず、はっきり、言やぁいいのによぉ。 『ここでレギュラーになれないような奴は、この先サッカーじゃあ生きていけない』ってよー」 本人はいつものように冗談っぽく言ったつもりなのだろう。 しかし、そのわりには声は震え、顔は笑っているというのに、その目は笑っていなかった。
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