第一章 一日の終わり

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「・・・では、現レギュラーのみなさんも油断せずに精一杯頑張ってください。 それでは、はじめましょう」 その声の終わりと同時に、生徒と選手たちの気合いの一声が、だだっ広いグラウンドのすみずみまで響き渡った。 「次、2番、佐藤。次、5番・・・」   グラウンドではゴール前、3対2のテストが行われている。 ディフェンダーを目指す者は三人ずつ、ミッドフィルダー、フォワードを目指す者は一人ずつ、 そしてキーパーを目指す者は一人ずつ順番にテストを受けている。 なかには、かなりいい動きをする一年や二年もいる。 そんな中、俊也はただひたすら一点を見つめ、その瞳は不安という名の靄に包まれ、心の中では何度も同じことをつぶやいていた。  『これで俺の人生が決まる。必ず最高のプレーを・・これで俺の・・・』 「次、10番、神野」
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