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案の定、彼についていた一年生のディフェンダーは勝利を確信してか、
奇跡的プレーをやってのけたアキラを尊敬の眼差しで見ていた。
そう、今、彼が見ているものは敵ではない、味方だ。
二年生フォワードはノーマークだ。
そしてフォワードが俊也を信じ、待ち構えている場所、それはゴール前、右サイド45度の位置である。
中央にいる俊也にとって決して届かない距離ではない。
この一瞬が決め手となった。
余裕を見せながら近づいてきた二年生ディフェンダーは、俊也が爪を振り払ったことには気付いていない。
もちろん、一年生も・・。
気付いているのは、振り払われた張本人だけであった。
「まずい、石田、いそげ!!」
そう、アキラが二年生ディフェンダーに叫んだときにはすでに時が遅かった。
自由になった俊也の左足は、こぼれかけていたボールを懇親の力で蹴った。
いや、彼の足がボールを押したといったほうが正しいだろう。
そのボールは、弱々しくスピードを緩めながら進んでいったが、よそ見をしている敵を相手には十分すぎるものであった。
れに合わせて前に出るフォワード。
今、彼の足にボールが到達した・・と、同時に大砲のような音が鳴り響いた。
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