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そう、そこは旧国道線との合流地点である。
俊也は足を止め、旧国道線の方を見た。
そこは街灯もなく、そして、車の排気音はもちろん、虫の鳴き声すら聞こえない沈黙の闇が広がっている。
所々にある小さな電球だけがその道を照らす唯一の光だ。
俊也は、その闇にむかってゆっくりと歩き始めた。
確かにこの道を通ればはやく、楽に家に着く。
だが、この時の俊也はほとんど無意識のうちに歩き始めていた。
まるで闇に吸い込まれるかのように・・。
5分程歩いたところで、俊也は不意に立ち止まって空を見上げた。
空は、どうやらもう曇ってはいないらしい。
多少の雲は残っているが、もうすぐその中からお月様が顔を見せてくれそうである。
「俺はレギュラーになれたんだ・・。ありがとう、母さん」
俊也は、感動と感謝の言葉を一人でつぶやいてみたが、その小さな声は、響くことなく闇に飲まれていった・・。
俊也は急に誰に見られているわけでもないのに、虚しさと恥ずかしさを感じ、
頬を赤らめ(暗くて分からないのだが)、はやく家に帰ろうと急ぎはじめた。
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