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風が彼の少し伸びた髪を、これでもかという具合に存分になびかせる。
そんな彼の姿をただひたすらに見つめている瞳があった。その瞳には彼を見守る暖かい眼差しがあった。
そんな瞳に気付いてか、彼は眼差しの先の彼女に顔を向けて微笑みかけると、すぐに正面に相手側に向き直った。
「あの娘もちゃんと上から見てくれてるかな」
そうつぶやき、彼はもう一度微笑んだ。
この微笑みは他の誰でもない、あの娘への感謝の気持ちと、これからの戦いへ向けての自分自身に対するエールであった。
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