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『ピピィィーーー』
試合開始の笛とともに彼は前に出た。
味方からのパスを受け取り次々と敵を抜いていく・・・が、敵のスライディングが彼の脚をとらえ、彼はそのまま一回転するような形で仰向けに倒れこんだ。
危険なプレーである。
審判はイエローカードを胸ポケットから出しつつ相手に駆け寄る。味方は心配して彼に駆け寄る。
スタンドの彼女は心配そうに立ち上がっている。
そんななか彼は起き上がらずにただ満月の輝く夜空を眺めていた。
「そういえばあの日も満月だったな・・・」
そうつぶやく彼に答えるかのように、また一段と強い風がフィールドにふきつけた・・・。
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