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『ツキノ!?』
後45秒あったというのに……“今日は”相手が悪かったのです。
俺は俺の代わりにベッドに横たわる、朝の平穏を壊した制服を着た悪魔、前髪をピンで分けた彼女に目を向けます。
彼女は桜 月乃(サクラ ツキノ)俺の幼なじみです。
『秋太がさっさと起きないのが悪いって。
それともうざったい学校なんかサボって、遊んじゃう~?』
『そんな事言ってると水無瀬にどやされるぞ?』
その名前を出すと、ツキノは黙り込んでしまいました。
俺は立ち上がり、一度伸びをしてからそのまま着替えに掛かろうとします。
しかし、背後から感じる視線が気になり振り返りました。
『あのさ……そこにいられると着替えられないんだけど?』
『はいは~い』
気のない返事を返されます。
出ていくかと彼女を目で追っていましたが、彼女は扉の方には向かわず、俺の目の前にまで来て座り込みました。
『何してんの?』
『え~秋太が目の前で見られてないと着替えられ無いって……『言ってない!!』』
人を露出狂扱いとは、なんという傍若無人っぷりでしょうか……。
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