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やっと諦めたようで、ツキノは部屋の外へ出ていきました。
俺もさっさと着替えて部屋を出ます。
部屋の外の階段に腰を下ろしてあくびをしているツキノがいました。
『朝、食べるだろ?』
『うん、いつもながら悪いね~』
『本当にそう思うのなら家で済ませてこいよな』
そんな会話を交えながら階段を下っていきます。
『おじさん、おばさんおはよ~』
ツキノはキッチン横のテーブルに座り、新聞を読んでいる俺の父親と、奥でご飯をよそっている母親に挨拶をしました。
二人は同い年で、十代の頃に俺を生んだため、まだまだ元気ハツラツです。
『あら、おはよう。
“今日は……”ツキノちゃんね』
『はい♪』
椅子に座ると同時に彼女は返事をしました。
皆さん……ここで少し引っ掛かりませんでしたか?
俺にとっては普段の会話ですが、皆さんが聞くと違和感を感じたと思います。
気になるかもしれませんが、百聞は一見にしかずと言いますし、真相は口で説明するよりも、実際に明日の朝を見ればきっと分かっていただけます。
『って、おいツキノ!
俺のおかず取るんじゃねぇ!!』
……まぁとりあえず見てやってください。
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