進路選択

4/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
ところで近年、若者の“出世したい”という欲が無くなってきているという。上の立場になるよりも、おとなしく平社員でいたいと考える若者が増えてきているのだ。それはなぜかというと、彼らにとって仕事は“お金を得る手段”という面が強まっているからなのではないか。だが、それも度が過ぎると良くない。仕事をすることでただもうけることに走ってしまう。すると、自分に害がないことには口を出さない。言われたことだけやる。言われないことはやらない。問題意識を抱かない。その行く末で働くことの本質を見失い、企業の不祥事にもつながるのではないか。“何を仕事にするか”というのは、“どう生きるか”にもかかわる問題である。労働する代価としてお金をもらうのであれば、“好きなこと”“得意なこと”を仕事にしたいと考えるのが自然である。自分が本当に好きな仕事であれば、苦しいことにも納得して取り組める。お金だけでなく、社会貢献や自己実現も追及していける。したいことをして、なりたい者になる。それが最も無理なく、その人の能力を引き出せる方法だろう。だがもし国民の多くがいやいや仕事をしているのだとしたら、おそらく彼らは能力を発揮できていないことだろう。喜んで働く人間が増えれば、社会は良くなっていく。逆にいやいや働く人間が増えれば、社会は悪くなっていくだろう。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加