空回(からまわり)

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少女は全てが憎かった 自分をこんなにも 追い詰めた人々が 自分をこんな 姿にしたのは誰? 少女は全てが憎かった 腕には傷痕が残り その近くにある傷は 今作った物 ただ 気付いて欲しかっただけ それなのに もう今では誰も 手を差し伸べてくれない 少女は全てが憎かった 全てが憎いはずなのに それでも誰かに 助けて欲しかった 放っておいてほしいのに 気付いて欲しかった 笑っているのに 泣いていた 怒っているのに 泣いていた 少女はただ愛されたかった それなのに 少女は分からなかった 愛されたいと願う気持ちを どう伝えるかを それが 上手く表現できないから またすれ違いすれ違い また愛を願う気持ちが 行きすぎて 憎しみへ変わった
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