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ミミル「お野菜のつぎは、お肉ですぅ」
ルンルン顔でミミルは緑色の血を滴し、まだ微かにピクッピクッと脈打つ生肉を魔法陣から出した濃い灰色の炎で丸焦げにした。
ミミル「うん。焼き加減ばっちりで、美味しそうですぅ」
黒焦げになった物体からはどういう原理か黄色の煙と、錆びた鉄の臭がした。
ミミルの料理に関する神経は常軌を逸している。
ミミル「次は…煮込みですぅ。クライスさんからもらった調味料を使うと、とっても美味しそうになりますぅ。特に、この『片栗粉』は甘い香りで、いい感じですぅ」
では、その『片栗粉』について説明しよう。
その『片栗粉』からは確かに、バニラの様な微かに甘い香りが漂い、通常の片栗粉よりもサラサラとした手触りで、まさしく身も心も『トロント』としそうな『片栗粉』だった。
他にクライスからもらった『調味料』は髑髏のラベルが貼られてあったり、DNAの塩基が刻まれてあったりと、常人から見れば『調味料』よりは『化学薬品』にしか見えないが、ミミルには『調味料』として見える様だ。
そんなあらゆる『調味料』を調合し、水色のだし汁を作って野菜や肉を鍋で煮込むこと30分。だし汁はすっかりなくなり、変わりに鍋からはクリーム色の煙と砂糖を焦がした様な臭が広がっていた。
ミミル「出来ました~!! 特製肉じゃがですぅ。さぁご主人様、冷めないうちにどうぞ」
秀「……これ…俺が、喰うんだよな? っていうか、いつの間に俺はこんなところに居るんだ? この章はオフだって聞いたぞ………」
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