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「兄貴が?」
アントンが驚く。今日書信が届いたのだがそこに書かれていたことは衝撃的だった。
今度こっちにこい、お前達に会わせたい人がいる。
と言うことであった。中にはアノマラドからオルランヌまで行くには充分の旅費、そして紹介状らしきものが入っていた。
「アントン、行こう。」
リハルトの言葉に戸惑った。
アノマラドからオルランヌまで。きっと長い旅だ。
――けれどもその間にもしかしたらアントンの探すものが手に入るかもしれない。
アントンは頷いた。
「――を、知らないか?」
少年の姿をしたものが聞き歩く。少年に見えたがそれは確かに少女だった。
「ボリス・ジンネマンを知らないか?」
少女は、探していた。
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