3160人が本棚に入れています
本棚に追加
翌朝起きると、祖母がいた。朝食の準備をしている。
『あら麻美、目が覚めたのかい? お腹すいたでしょ。ご飯食べようか?』
『うん』
『お! 麻美早いな。ああ、学校だもんな』
そう声を掛けてくる父はいつもより明るく感じた。
『麻美、学校終わったらおばあちゃんの家に行きなさい。パパ仕事が終わったら迎えに行くから』
近所に住む祖母がアタシ達の世話をする事になったようだ。
『うん』
そう返事をして用意されたご飯を食べた。
いつもなら、ここに母の姿が……あれ? いない時もあったような……。
違う。いたんだ。酒臭い息を吐いてソファで転がっていた。
父が出張でいない時は、いつもお酒の臭いがした。
これからどうなるんだろう?
父は仕事があるから、このまま祖母がアタシ達の世話をするんだろうか?
七才のアタシはぼんやりと考えていた。
最初のコメントを投稿しよう!