想う気持ち

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  家に帰ると父と志帆が居間にいた。     『麻美……』     ソファに座っていた父が立ち上がる。     『さっきはごめんなさい』   『パパもぶったりして……痛かっただろ?』     アタシの右頬に父の手が伸びた。父の手も暖かい。     『みんなに話がある』     家族四人テーブルを挟み座った。   父が口を開く。     『今まで、詳しい事をきちんとみんなに話さないでいたのは俺の問題だと思ってたんだ……でも違うんだな。   現に麻美を巻き込んでいる。』     父の話は結婚してからのあの人の浮気、何度もあった離婚話、離婚の時に決めた事など。   今、アタシは祖母から聞いた事を父から直接、父の言葉で聞いている。     アタシも祖母に話した事を家族に伝えた。     母もいくらか父から聞いていた事もあったようだが、アタシ達が成人を迎えた時の話は知らなかった。     志帆に関しては、自分に産みの親がいたのは解ってはいたが「死んだ」と思ってたらしい。     『あはは! おかしいなぁとは思ってたんだぁ。だってウチに仏壇無いんだもん』     志帆の明るさが一気にみんなを和ませる。     『麻美も志帆も守りたくて、ああでも言わないと離婚に応じてくれそうになくて言ってしまったのは事実だ』   『パパ、アタシは行かないよ。二十歳になってもそのあともパパとお母さんを選ぶ』   『志帆も知らない人のとこは行かないもん』   『もう一度パパが話をしてくる。大丈夫だ。心配ない』   『私達家族なんだもの。みんなで力を合わせてやっていこう?』     母の言葉に今ホントにみんなが一つになろうとしている。  
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