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「これ試着用で幾つかあるから、もし良かったらクロスちゃんにあげる!」
「……どうも」
「私、こう見えてもファッションデザイナーで、女の子の服を手掛けてるの。正悟は男の子だから、こうやって試着させられなかったのよ。そうだ!せっかくだから明日、会社に保管してある服も何着か持って来ようかしら」
正悟の母が1人で盛り上がっていると、突然携帯電話が鳴った。
「あら、会社からだ。ちょっと待っててねぇ」
正悟の母は携帯電話を持ってリビングから出て行った。
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