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「勿論ただのオンラインゲームではありません。実際にゲームの中に入り、ご自身の足で行動してもらいます」
拓の考えが読み取られていたらしい。従業員はただのオンラインゲームではないことを強調した。
小太郎が言っていたことは本当だったようだ。
でも、どうやってゲームの中に?
「ここから先の説明はゲームの中に入ってからとなります。では、早速ご利用になりますか?」
説明を途中で切るのも客掴みのためか。
拓は、嫌な商売だ。と思いながら頷いた。
小太郎はというと、客掴みのことなど関係ないといったふうで、早くしろと言わんばかりに頷いていた。
従業員は二人に利用料金の説明をし、奥の部屋へ行くように言うと、さっき用紙に書いた個人情報をパソコンかなにかに打ち始めた。
奥の部屋、というのは建物に入って真っ直ぐの扉の奥。
小太郎は早く行こう、と言うなり走って行ってしまった。
拓は小太郎の後を追う。
従業員は微笑ましく笑っていた。
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