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「ワールドオンライン?」
聞き慣れない言葉に疑問詞を付けて返す。
いや、聞き慣れないというのは間違いか。最近ちらほらと耳に入ってくるようになった言葉だが、たいして気にはしていなかった。
食いついた、とばかりに小太郎の表情が明るくなる。
「そう。最近話題だろ?な、行こうぜ」
確かに話題なのかもしれないが、流行に敏感という訳ではない拓は、どんなものなのか、また不都合なことは無いのかといったことは全く分からなかった。
「大丈夫だよ、俺が保障するって」
しかめた顔から読み取ったのか、先回りした小太郎の気遣いが拓を揺さぶる。
ここで信用できない、と言ってしまえば今までの付き合いは嘘になってしまう。それが冗談になるのだが、そのやり取りは多少面倒だ。
拓は素直に頷いた。
「じゃ、行こう」
「補導される前にな」
数年前、今日と同じように小太郎に着いて行ったら、道に迷ってしまい深夜警察に補導されるまで帰れなかったことがあった。
小太郎は苦虫を噛み潰した様な顔を拓に向けると、今さっき乗って来た自転車に再び跨ったのだった。
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