第一章

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「スマイル一つ」    小太郎は従業員と向かい合うなりそう言った。    言うまでもなくこれは某ファーストフード店のネタだ。    小太郎曰く、従業員の反応を見て接客の良し悪しを決めるらしい。    勿論小太郎にそんなつもりは無く、ただ遊んでいるだけである。    従業員は一瞬目を点にすると、すぐに爽やかな笑顔をみせた。プロである。    小太郎は初めて行く所で毎回これをして、毎回拓に小突かれている。非常に迷惑だ。   「初めてのご利用ですか?」    さすが、と言うべきか。    従業員は軽く笑って迷惑を流すと、何事も無かったかの様に接客を始めた。   「はい」 「ではこちらへどうぞ」    初めてかどうかを聞いたのは初めて利用する客が多いからだろう。    新しく出来たものだということを語っている。    通されたのは、さっきのカウンターとは違う別のカウンター。    ワールドオンラインのことを説明する所だろう。    従業員が元の場所に帰って行くと、別の従業員がやって来た。
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