勇者剣伝ヴォルライガー 第一話『騎士の勇者!!』

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(警察はあてにできない…!) もちろん警察に遺産兵器など配備されているはずもない。 遺産兵器による犯罪は、まっとうに生きている人間にとって、抗いようのない絶望的な暴力だった。 「ごめんね…!巻き込んじゃって…!」 泣き出しそうな顔をして、エリィが必死に謝ってくる。 「気にすんな。…あれのせいで到着が遅れてたのか」 「うん…あいつが、しつこく私たちを追いかけてきて… 飛行機に乗って巻いたと思ったから、 お母さんとお父さんが学校に行ってらっしゃいって…自転車買って…くれて…!」 「…!!っく!」 エリィと志狼の脳裏に、最悪の情景が浮かぶ。 奴がエリィたちの足跡を追いかけてきたということは、もしや、既にエリィの両親は…。 エリィの目から涙がこぼれる。 泣きながらエリィは 「ごめんね…ごめんね…」 と、謝罪を繰り返した。 「…」 見かねた志狼は、そんなエリィの頭に手を伸ばして、半ば乱暴にグシャグシャと頭を撫でた。 「!?わわわわ!」 「くっ…ぶはははは! 髪グシャグシャだぜ?」 志狼がいきなり笑い出す。 エリィは泣くのも忘れて、むくれながら反論に出る。 「むぅぅ!シローのせいでしょう!?」 「ははは…わりィな。おめえがあんまりひでえ顔してたもんでよ。 つい、な! …謝んなくていいぜ。こんなもんなんてことねえよ!」 「シロー…」 エリィの顔にわずかに笑顔が広がる。
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