勇者剣伝ヴォルライガー 第一話『騎士の勇者!!』

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(それに…謝りたいのはこっちの方なんだからよ) そう思ったが、志狼は何も言わずに走り続けた。 しかし、校庭に駆け込んだところで、ブースターをふかしてきた遺産兵器に、容易く追いつかれてしまった。 「手間かけさせやがって!ちいと痛い目にあって貰うぜッ!!」 男はそう言うと、遺産兵器の左肩に装備されているキャノン砲を、志狼たちの足元に放ってきた。 ドガアアアアアアア!!! 「うわあああああ!?」 「きゃああああああ!!」 派手に砂塵を巻き上げて、凄まじい爆発が起きる。 志狼とエリィは、たまらずに吹き飛ばされてしまう。 志狼は地面に背中を強かにぶつけてから、ワンバウンドしてうつ伏せに地面に倒れこむ。 「うう…エリィ…?」 志狼は何とか受身を取っていたため、比較的軽傷だった。 何とか立ち上がろうとする。 「う…げほっ…! はあ…はあ…」 まわりを見渡すとエリィが見つかる。 無傷とはいかないものの、なんとか無事らしい。 そうこうしているうちに爆風の向こうから、あの遺産兵器が向かってくる足音がする。 (クソッ!どうする!?) 志狼は傍にあったものに手をついて起き上がる。 「くッ…そう! こんなもんで…!!…まけねえ…負けねえぞッ!!」 志狼が叫んだ瞬間、体中に電気が駆け巡る感覚が走る。 そして体が光の粒子へと変化し、手をついていた物の中へと吸い込まれていった。 志狼が手をついていたもの。 それは学園に生えている、あの巨木だった。
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