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(それに…謝りたいのはこっちの方なんだからよ)
そう思ったが、志狼は何も言わずに走り続けた。
しかし、校庭に駆け込んだところで、ブースターをふかしてきた遺産兵器に、容易く追いつかれてしまった。
「手間かけさせやがって!ちいと痛い目にあって貰うぜッ!!」
男はそう言うと、遺産兵器の左肩に装備されているキャノン砲を、志狼たちの足元に放ってきた。
ドガアアアアアアア!!!
「うわあああああ!?」
「きゃああああああ!!」
派手に砂塵を巻き上げて、凄まじい爆発が起きる。
志狼とエリィは、たまらずに吹き飛ばされてしまう。
志狼は地面に背中を強かにぶつけてから、ワンバウンドしてうつ伏せに地面に倒れこむ。
「うう…エリィ…?」
志狼は何とか受身を取っていたため、比較的軽傷だった。
何とか立ち上がろうとする。
「う…げほっ…!
はあ…はあ…」
まわりを見渡すとエリィが見つかる。
無傷とはいかないものの、なんとか無事らしい。
そうこうしているうちに爆風の向こうから、あの遺産兵器が向かってくる足音がする。
(クソッ!どうする!?)
志狼は傍にあったものに手をついて起き上がる。
「くッ…そう!
こんなもんで…!!…まけねえ…負けねえぞッ!!」
志狼が叫んだ瞬間、体中に電気が駆け巡る感覚が走る。
そして体が光の粒子へと変化し、手をついていた物の中へと吸い込まれていった。
志狼が手をついていたもの。
それは学園に生えている、あの巨木だった。
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