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「くっくっく…さあて行きましょうねぇ。クライアントがお待ちだぜ」
「シロー…
シローーーーー!!!!」
ドッガアアアアアアアアアン!!!
「な…なにいい!?」
遺産兵器の手がエリィに伸びる寸前、遺産兵器とエリィの間に巨大な雷の柱が立ち上り、遺産兵器の腕を弾き飛ばした。
「汚ねぇ手でエリィに触るんじゃねえよ」
光が収まると、志狼が光の柱の中から、大剣を持って現れた。
「し…シロー!!!!」
「てめえ…生きてやがったのかア!!?」
「覚悟しろよテメェッ!!!」
我がパートナーよ!
その剣を天にかざし、
私の名を呼べ!!私の名は…
「知ってる…俺は、お前の名前を知っている!!!」
志狼は叫ぶと大剣を天にかざして叫んだ!
「出ろぉぉぉ!!ヴォルネェェェス!!!!」
空の当たり一面に雷雲が立ち込める。
ガオオオオオオオオ!!!
志狼がかざした大剣から雷の獅子が飛び出し、
雲に吸い込まれていく。
一瞬雷雲が煌き、一条の雷が地面に落る。
そしてその雷は、徐々に人型を形成していく。
『ウオオオオオッ!!!』
「うわあ・・・」
「すげえ…!こ、これが…ヴォルネス!?」
その『騎士の兜』を髣髴とさせる顔は『面』のバイザーの隙間から、瞳の輝きが見える。
体全体は茶こけたボロボロのマントに覆われていて全貌は明らかになっていない。
しかし、それは間違いなく遺産兵器だった。
『悪党よッ!悪行もそこまでだッ!!」
「い、意志をもった騎士型の遺産兵器だとォ!?
まさか…あの伝説の!!?」
ヴォルネスを目の前にして男は慌てている。
この機会を逃すまいとして、志狼はヴォルネスに命令する。
「よっしゃあ!!ヴォルネス!!!あいつをやっちまえ!!」
「…それはできない。私は自ら攻撃行動に出ることができないのだ」
「な…なんだとお!?」
志狼は慌てた。意思を持った遺産兵器ならば、命令するだけで敵を倒してくれると思っていたからである。
慌てる志狼に、ヴォルネスは言った。
「パートナーよ。私を纏って戦え。『剣よ我を戦いの力へ導け』と叫ぶのだ」
「そうすりゃなんとかなるんだな!」
『その通りだ。早く!』
「…わかった、やってみるぜ!!」
「シロー!」
心配そうにエリィが志狼に駆け寄る。
「そんな顔すんな。どんなにカッコ悪くても…今度こそ、お前を守ってみせる!」
「…!」
「剣よ!我を戦いの力に導け!!」
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