勇者剣伝ヴォルライガー 第一話『騎士の勇者!!』

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「まさか…まさか奴は本当に伝説の…!!」 額のクリスタルに収容された志狼は不思議な空間にいた。あの暗闇と似たような感覚。何かに包まれている安心感。 ただ違うのは全方位の視界がはっきりしている事と、 上下の感覚がはっきりしている事だ。 「おい、あのマント崩れちまったぜ?いいのかよ」 『正確にはあれはマントではない。 私の体を修復し終えたナノマシンの死骸だ』 「ナノマシン…ってあのナノサイズの極小機械のことか?」 『そうだ』 「ふ~ん…お前って凄ぇんだな」 そう言いながら志狼は、頭を掻く。 すると同時に、ヴォルネスも頭を掻く動作を取る。 「なんだ!?あの構えはッ!??」 「は?構え?…おい、まさかこれ、俺の動きそのままで動くとか…?」 『理解が早くて助かる!さあ、早く奴を倒すぞ!』 「マジかよ!…あーもう、なるようになれだ!!武器があるなら出してくれ!!」 『了解!!ナイトブレード!!』 ヴォルネスそう叫ぶと、腰から剣の柄だけ取り出す。 志狼の手元にも柄だけの剣が出現する。 志狼はそれを、しっかりと握り締める。 『マイトを剣に込めるのだ!!』 「わかった!!ハアアアアアアッ!!」 志狼が送り込んだマイトを受けて刀身が形成される。 黄色を基調とする、見事な意匠が施された両刃の大剣だった。 「くそッ!!こうなりゃ、やってやるぜえ!!!」 盗賊は半ばやけくそになって、キャノン砲をヴォルネスに向けて発砲した。 『来たぞ!かわすんだ!!』 「おう!!」 志狼は思いっきり踏み込んで、キャノン砲を… ズシャア! ドゴォオオオオォン!!! …かわせはしたが、その場の地面をえぐり取って頭から地面に突っ込んでしまった。 「グッ!!なんだこりゃあ!!」 『…やはりか!』
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