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「まさか…まさか奴は本当に伝説の…!!」
額のクリスタルに収容された志狼は不思議な空間にいた。あの暗闇と似たような感覚。何かに包まれている安心感。
ただ違うのは全方位の視界がはっきりしている事と、
上下の感覚がはっきりしている事だ。
「おい、あのマント崩れちまったぜ?いいのかよ」
『正確にはあれはマントではない。
私の体を修復し終えたナノマシンの死骸だ』
「ナノマシン…ってあのナノサイズの極小機械のことか?」
『そうだ』
「ふ~ん…お前って凄ぇんだな」
そう言いながら志狼は、頭を掻く。
すると同時に、ヴォルネスも頭を掻く動作を取る。
「なんだ!?あの構えはッ!??」
「は?構え?…おい、まさかこれ、俺の動きそのままで動くとか…?」
『理解が早くて助かる!さあ、早く奴を倒すぞ!』
「マジかよ!…あーもう、なるようになれだ!!武器があるなら出してくれ!!」
『了解!!ナイトブレード!!』
ヴォルネスそう叫ぶと、腰から剣の柄だけ取り出す。
志狼の手元にも柄だけの剣が出現する。
志狼はそれを、しっかりと握り締める。
『マイトを剣に込めるのだ!!』
「わかった!!ハアアアアアアッ!!」
志狼が送り込んだマイトを受けて刀身が形成される。
黄色を基調とする、見事な意匠が施された両刃の大剣だった。
「くそッ!!こうなりゃ、やってやるぜえ!!!」
盗賊は半ばやけくそになって、キャノン砲をヴォルネスに向けて発砲した。
『来たぞ!かわすんだ!!』
「おう!!」
志狼は思いっきり踏み込んで、キャノン砲を…
ズシャア!
ドゴォオオオオォン!!!
…かわせはしたが、その場の地面をえぐり取って頭から地面に突っ込んでしまった。
「グッ!!なんだこりゃあ!!」
『…やはりか!』
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