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「何が?!」
志狼はフラフラと起き上がり、なんとか機体の体勢を立て直す。
『私を纏う…つまり君は、私の運動性能をそのままに戦闘ができるということだ。しかし…!』
「しかし!?」
『君と私を完全に神経リンクさせるこのシステムは、慣れないうちは、『普段の状態』と、『私を纏っている状態』との、身体能力のギャップで
機体をうまくコントロールする事ができないのだ!』
『な…!そうか、体の感覚が変だと思ったら、そういうことだったのか!
っておい!やはりってことは、予想できてたってことかよ!」
『ああ、その通りだ。普通は少し訓練をしなければならないのだが…!』
「言ってられる状況じゃねえ!!」
『そういうことだ…っ!』
「何をゴチャゴチャ言ってやがる!!くらえ!!!!」
志狼とヴォルネスは必死に情報の一致をさせているが、
そんなものを待ってくれるはずもなく、男はキャノン砲と右肩のミサイルポッドと両腕のアームガトリングを乱射してくる。「くそッ!!」
『このままでは…!!』
下手に動くと先ほどの二の舞だ。
剣を水平に構えて必死に防御する。
敵遺産兵器の攻撃を受けても、ヴォルネスには傷は全くつかなかったが、このままでは勝つ事もできない。
(くそ!!カッコ悪くてもいい…どんなに最低でも構わない!だけど!!)
視界の端に、エリィの今にも泣き出しそうな顔が映る。
(あんな顔にだけはさせちゃいけねえんだ!!)
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