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『全軍に通達しろ。城門前に集結せよ、と』
「…、決着をつけるおつもり、ですね」
『そうだ』
「…!」
ブレイブナイツとの決着。
果たしてそれが成された結果、一体何がどうなるだろうか。
(…何を失う事になるのだろか)
どう事態が転がったとしても、自分は何かを失う。
そんな漠然とした、しかし確信が、ココロにはあった。
「…はい。かしこまりました」
頷き、そのまま俯くココロ。
アルフォクスは、そんな彼女の表情が、痛々しくて見ていられなかった。
剣魔のナンバー2などではなく、1人の少女としての表情。
少なくとも、彼女と行動を共にするようになってから、初めて目にする表情だ。
(…変わられましたな)
この半年の間に、彼らと出会ってから。
彼女の立場を守るためだけに、背中を躊躇いなく差し出した侍の少年。
本気でぶつかり合いながらも、奇妙な繋がりを持った、半妖の少女。
そして、カインの魂の片割れにして、不殺を貫き通した、騎士の少年と、
敵である自分の怪我を気遣い、奇跡の逆転劇を生み出した、あの少女。
『ここで、ケリを…つける…!』
「!…カイン様?」
念話越しのカインの様子が、何か少しおかしい。
アルフォクスは、カインの微妙な違和感を感じつつ、集結の指示を、全軍に出すのだった。
『そう、ここで…終わらせる…』
決着の刻が、迫っていた。
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