『第十五話 剣の継承』

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「っと…。ヴォルペガサス、そろそろリンクを一端切ってくれ」 『…了解』 全身のリンクを切り離す志狼。そして、背後の玉座に座るエリィに向き直る。 「は…、ぜ…、は…、ぜ…」 視界に入れたエリィは、片方の水晶球に身体を預け、グッタリとしていた。 無理も無い。 封印を開放された彼女のマイトの総量は、ブレイブナイツのメンバーと比べても、群を抜いて高い。 しかし、生まれて初めてマイトを行使した事に加え、あれだけの大技を立て続けに使ったのだ。 合体を保っていられる現状が、奇跡の様なものだった。 「…頑張ったな。ありがとう。正直、お前の助けが無かったら、今頃死んでた」 「…そんな…、わたし…ぜんぜ…!」 「喋るな。今お前はマイトの使い過ぎで、貧血とか過呼吸みたいな状態になってるんだ。浅く呼吸を繰り返して、楽な姿勢でゆっくりしてろ」 苦しい。 いくら呼吸を繰り返しても、酸素が足りないような錯覚と同時に、激しい脱力感がエリィを襲っていた。 手先足先は痺れ、身体には力が入らない。 「…ごめ…!」 「謝るのもナシだ」 志狼は、エリィの頭をそっと撫でる。 「でも…!」 「いいから。後は俺に任せとけ」 e7682c0b-5a58-4b3f-afbd-e00279e2c295 「後…だと?」 「あ!!」 「…ッ!」
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