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「っと…。ヴォルペガサス、そろそろリンクを一端切ってくれ」
『…了解』
全身のリンクを切り離す志狼。そして、背後の玉座に座るエリィに向き直る。
「は…、ぜ…、は…、ぜ…」
視界に入れたエリィは、片方の水晶球に身体を預け、グッタリとしていた。
無理も無い。
封印を開放された彼女のマイトの総量は、ブレイブナイツのメンバーと比べても、群を抜いて高い。
しかし、生まれて初めてマイトを行使した事に加え、あれだけの大技を立て続けに使ったのだ。
合体を保っていられる現状が、奇跡の様なものだった。
「…頑張ったな。ありがとう。正直、お前の助けが無かったら、今頃死んでた」
「…そんな…、わたし…ぜんぜ…!」
「喋るな。今お前はマイトの使い過ぎで、貧血とか過呼吸みたいな状態になってるんだ。浅く呼吸を繰り返して、楽な姿勢でゆっくりしてろ」
苦しい。
いくら呼吸を繰り返しても、酸素が足りないような錯覚と同時に、激しい脱力感がエリィを襲っていた。
手先足先は痺れ、身体には力が入らない。
「…ごめ…!」
「謝るのもナシだ」
志狼は、エリィの頭をそっと撫でる。
「でも…!」
「いいから。後は俺に任せとけ」
「後…だと?」
「あ!!」
「…ッ!」
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