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そう言い残すと、女の子は自転車に乗って走り去っていった。
「あいつ…もしかして…」
そして…目も冴えるような金髪。
頭の右と後ろからピョコンと出ている、変則ポニーテール。
(俺のの記憶が正しければ…あいつの髪型と同じ…)
キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪
「あ!!俺も遅刻ヤバイって!!親父に何されるかわかんねぇ!!」
そういうと志狼は、教室めがけて走りだした。
勢いよくドアを開け志狼は教室に飛び込む。
「ぜえぜえ…せ、セーフか…?」
「おう、まだ先生来てねぇぞ!
しっかし珍しいな、御剣が遅刻ギリギリなんてよ」
「まあな…今日は気絶時間が長かったんだと」
「な…なるほど」
毎日大変だなと付け加えられてから、志狼は席に向かう。
ざっと教室を見ると黒髪やら金髪、白い肌から黒肌まで混ぜこぜになっているが
500年戦争時に国境などがゴチャゴチャになってしまったために、こんな光景が当然になっていた。
フウっと一息つくと、扉が開いて教師が入ってくる。
先ほどの生徒が、笑いながら両手を水平に広げて『セーフ』のジェスチャーをする。
苦笑しながら、志狼は親指を立てて応じる。
「皆さんおはようございます。今日は転校生を紹介します。さ、入ってきて」
はいってきた女の子は入ってくるなり、
黒板に「エリス=ベル」と書く。
「…ああ!?」
「エリス=ベルです!エリィってよんでね♪」
志狼に向かってウインクを飛ばしたその少女は、先程の自転車に乗っていた女の子だった。
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