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「!何ィ…!?」
ぺガスキャリバーから、聖風のマイトが発生する。
剣から発生した風は、後方へと流れていく。
その力の流れは、やはりヴォルガイアーと同じものだった。
「ヴォルペガサスの風で、キング・レオ・ブレイクを真似るつもりか…!?」
「…」
カインの問いに、志狼は答えない。
剣先をヴォルガイアーの目線の高さに上げ、鋭い目付きで睨みつける。
掛かって来い、と。その目は雄弁に語っていた。
「よかろう…。その程度の付け焼刃など、この獅子の牙にはなんら無力である事を、教えてやるッ!!!」
暴れ狂う黒の雷が、獅子の鬣を連想させるように暴れまわる。
「…砕け散れッ!」
漆黒の獅子が、荒ぶる牙を剥く。
「キングッ!レオッ!!ブレイクーーーッッ!!!」
ヴォルガイアーが、黒い巨大な弾丸が、ヴォルペガサス目掛けて迫る。
「!避けない!のか!?」
ブリットは驚愕して、目を剥いた。
『馬鹿な…!!自殺行為だ』
さしものウォルフルシファーも、狼狽せざるを得ない。
大地を抉りながら迫るヴォルガイアーを目の前にして、ヴォルペガサスは、ペガスキャリバーを構えたまま動かない。
「避けて下さい!!」
ユマは声を張り上げた。
飛翔すれば、回避出来る可能性があるものを。
「…っ!」
水衣は、声も上げられない。
拳火の右手に添えていた手に、思わず力がこもる。
ゴシャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!
ヴォルペガサスが、錐揉み回転しながら、上空に向かって跳ね飛ばされる。
「…っ!!あ…っ!!あああ…!!!」
陸丸は呼吸を忘れてしまったかのように、口をパクパクと動かし、顔からは血の気が引いていく。
翼からもぎ取られた羽や、砕けた装甲が、次々に地面に向けて落下してくる。
『…ッ!!リーダーッ!!』
見紛うはずもない。猛鋼牙の視界に映るそれらは、間違いなくヴォルペガサスの物だ。
これではまるで、先の戦いの再現ではないか。
「…」
突き抜けたヴォルガイアーは、無言でガイアーブレードを、血払いするように一振りした。
その背後に、羽を巻き散らし、手足を投げ出しながら落下してくるヴォルペガサス。
もはや、そこに力強いマイトは感じない。
その瞳からは、光りが失われている。
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