『第十五話 剣の継承』

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「…何から詫びたらいいのか分からない…。すまなかった、マリア…」 「…何を謝られているのか、分からないわ。カイン。あなたは何時も…、私に優しかったじゃない」 カインの目から涙が溢れる。しかしその雫も、結晶と化してパラパラと散っていく。 「私は、何一つ後悔していないわ…。  私の生きた証は…、今ここに、こうして後を継いでくれる人たちそのもの。  彼ら会えただけで…、もう他に、何もいらない」 しかし直後、マリアはブンブンと、激しく首を横に振った。 「…嘘っ!嘘です…!私は…私は、あなたと…っ!!」 「…マリ…ア…」 ニコリと微笑むカイン。その笑みを体現する唇も、そして目も、粉々に砕けて、風に流れていった。 「…わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ…っ!!!」 マリアの悲痛な嗚咽が、辺りに響き渡った。 拳火も、水衣も、鈴も、ココロも、陸丸も。 ブリットも、ユマも、そして志狼も。 あるものは手を合わせて、あるものは礼をして。 先代の勇者。 …人類の偉大なる恩人を、送り出したのだった。
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