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「坂本クンがこんなことするヒトだなんて、思わなかった……」
「サ、サキちゃん!?
これは、その、あの、だって」
「出てって! 出てってよォ!!」
出てってって、ちょ、ちょっと待てよ!
こんな華奢な体から、なんでこんな力が出るわけ!?
細い腕は、オレを着実に玄関まで押し出して行く
待って待って、このカッコはヤバい
出てもいいけど、100歩譲って出てもいいけど、これはヤバい!!
「サキちゃん、オレが悪かった! ゴメン!
聞いて! あの―――」
やけに柔らかい床だな、と思った
後ろ向きに押され続けていたから、下なんて見る余裕全くなかった
むにゅん
カカトから土踏まずまでが一気に包み込まれる
そして聞こえた
「ン゛ニギャアアアア―――――ッ」
この世の物とは思えない、音
あれ? 声か?
「リズ!!!!」
おぶっっ!!
オレのみぞおちど真ん中に、突き手が入る
今、波動拳出た? 出たよね?
成す統べないオレの体は、まっすぐ玄関ドアに流れ飛んだ
――ドゴァン――
頭の上に鳥やら星やらが飛ぶって、あぁこんな状況か
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