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それに悩みはそれだけじゃない。最近、とはいわないか。結構前からあたしは唯を好きでいることに疑問を抱く時がある。
あたしは唯がそこにいてくれるだけで嬉しくて、唯と話せることが喜びで、何も変わらない日常が幸せだと思っている。
でも、唯にとってはそうじゃないんじゃないかって。嫌われてるなんては思ってない。好かれてる自信はある。ただ、唯にとってのあたしは、沙代や聖奈と同じ友達の範疇にしか過ぎないから、もう昔みたいな特別じゃないんじゃないか、そう感じてしまう。
このまま唯を好きでいていいのかな……
あたしは唯の『特別』がいい。あたしが唯を好きになったばかりの頃のように、唯にとっての『特別』。
唯が大切。大好き。でも……、
それだけじゃいけないこともある。
進学のこともあり、あたしは弱気になっていた。
今、唯を諦めれば傷は浅くて済む。
唯を好きじゃなくなれば……
唯を…………
ぴぴぴぴぴっぴぴぴぴぴっ
いきなり目覚まし時計みたいな電子音が鳴り響いた。
出所は手に持っている電話の子機。驚きと反射で番号も見ないで電話をとっていた。
とった瞬間、唯だったらいいな、という期待が頭をよぎった。
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