1.始業式

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 3年生になった。中学校最後の年。それだけで何かあるんじゃないかとドキドキする。  今日はその初日、始業式だ。  すーはー、すぅーーはぁー  まずは深呼吸。気持ちを落ち着けてから、校舎の入口に貼られた紙を見る。周りでは数人の女子が騒いでいた。  高まる心臓に気付かないふりして名前を探す。この紙が自分のこれからの学校生活を左右していると言っても過言ではないだろう。なんていったって今日は始業式。クラス替えなのだ。 えっと、間宮 奏(まみや かなで)は、と……。  あたしはまず自分の名前を探す。こういう時真ん中らへんの苗字は不便だ。探しづらくてしかたない。   「あ……」    自分の名前を探していたはずなのに。先に見つけたのは違う名前。  ……若狭 唯(わかさ ゆい)。無意識に探してしまったのだろうか。あたしらしいといえばあたしらしい。思わず口元に笑みが浮かんだ。  唯は4組のラストだった。ある種の期待を込めて、そのまま上の方、同じ4組を探す。  若狭、芳原、山川、森屋、皆川……  順に心の中で読み挙げていく。そろそろだ。 「……」 ……星野。  ない。見間違いを望んでもう一度見るけれど、皆川の上は星野。間宮はない。何度見直しても、それは変わらなかった。
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