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「嘘でしょ……」
小さくあたしは呟いた。
最後だから同じクラスがよかった。修学旅行だってあるのに。これじゃなんのために今年の初詣で500円入れて神頼みしたかわからない。願い事だって『唯と同じクラスにしてください』で、多くは望まなかったのに。神様のばか。
周りにわからないようにこっそりとため息をつくと、いきなり真後ろで声がした。
「何へこんでんの?」
うわ、っと思わず声が漏れる。声の主はすぐにわかったけど、いつの間に後ろに。
「うわって何。うわって」
全く失礼だよね、君は。と、そいつ――皆川 聖奈(みなかわ せいな)は続けた。数少ないあたしの“友達”の1人。唯とはこいつ繋がりで話すようになった。いわば仲介人だ。
特筆すべき特徴は小さいこと。身長146cmのミニマムサイズ、ボクっ娘でS。ついでにいわゆる腐女子でもある。
「奏のことだからどうせ唯ちゃん関係でしょ?」
どうせってなんだ、どうせって。あたしだっていつもいつも唯のことばっか考えてるわけじゃ…………いや、考えてるか。
「奏、考えてることが顔に出てるよ」
「うわっ」
聖奈とは別の声が真横から聞こえた。こちらもやっぱり主が誰かはすぐにわかったけど、いつの間に真横に。忍者か、こいつら。
「言っとくけど奏がせーなに気を取られてただけで、アタシは普通にいたからね? さっきから」
……考えてることが綺麗に全部顔に出てたようだ。
こいつは羽丘 美夜(はねおか みや)。あたしの“友達”であり悪友だ。聖奈の幼なじみ。高めの身長(ホント羨ましい)に、長い黒髪。ぱっと見はクールでかっこいいのに、中身はぼけキャラでM。これもギャップ萌えというのだろうか。ちなみにミヤと聖奈が並ぶとカップルの理想の身長差がつく。
「……おはよう、ミヤ」
「うん、おはよ。奏」
あたしの責めるような視線を無視し、ミヤは自分のクラスを確認してる。Mのミヤにまでいじられるあたしはなんなんだ。
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