1.始業式

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 ん?あたしは誰かって? あ、失礼しました。そういえば自己紹介がまだでした。あたしは間宮 奏(まみや かなで)。恋に恋するお年頃の女子中学生。現在進行形で片思い中(しかも初恋)。相手は……女の子。  レズと言われようと、気持ち悪いと言われようと、好きなんだからしかたない。正直、信頼してる友達と彼女以外になんと言われようが構わない。でもレズよりビアンがいいかな。言われるなら。  身長は標準。可愛さとは無縁で、かっこいいと言われても可愛いと言われることはない。そんな娘です。あたし。 「奏ー。行くよー? 置いてくよ?」  聖奈に呼ばれ、あたしは慌ててクラスを確認した。  あたしは3組。唯の隣のクラス。体育は一緒だ。よかった。  ついでに聖奈とミヤのクラスも確認している最中、見つける前にミヤが教えてくれた。 「アタシと奏は一緒。せーなは4組。唯ちゃんと一緒」  ミヤはそう言って先に下駄箱へと向かう。あたしも慌てて追いかけた。 「せーなが羨ましい?」  からかうようにミヤがきいてくる。また顔に出てたろうか。 「当たり前じゃん」  これが他の人だったならまた勝手が違うだろうけど、相手はミヤだ。隠すこともない。素直に答えた。 「素直だねぇ。ま、アタシで我慢しなさい」 「……無理。唯がいい」  相手がミヤなので好き放題言う。ミヤは苦笑すると、あたしの頭をぱしっ、と軽く叩いた。 「あ、そ。じゃ頑張りな」  そう言ってミヤは先を歩く聖奈のところへ行った。  ミヤなりの励まし方。きっとあたしが唯とクラス別れて落ち込んでたからだろう。ミヤの優しさが嬉しかった。 「ちょ、ミヤ、聖奈。待ってよ!」  そう。クラスが違うからなんだ。落ち込んでなんかいられない。  あたしは前の2人を追いかけた。
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