2.いつもの幸せ

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 退屈な授業が終わり、10分だけの休み時間になる。あたしは急いで教室を飛び出す。目的地は隣の教室。目的は唯。  すぐに唯の教室に着いた。授業が終わってることを確認し、扉を開ける。前に授業が終わってないのにドアを開けて大恥をかいたこともあるからだ。同じ失敗をしてたまるか。  教室はいいかんじにざわついていた。  唯の席は目をつぶったってわかる。唯はあたしに気付かず、聖奈ともう1人、3人で話している。  その後ろ姿を見ていたら、いたずら心が芽生えてきた。忠実に実行しよう。 「おはよっ、唯!」 「ひゃあっっ」  気付かずにいた唯に後ろから抱き着く。予想通り、いい反応。 「か、奏っ!!??」  後ろを振り向かず、唯が言う。常習犯だからだけど、こうやってあててくれるのが嬉しい。 「おはよ、唯」  抱き着いたまま、同じ言葉を耳元で囁く。トドメとばかりに息を吹き掛けるのも忘れない。  こんなことばっかやるから警戒されるんだろうな。そうは気付いててもついついやりたくなるのだからしかたない。  顔を見なくてもわかる。今唯の顔は赤くなっている。もともと唯は人前で抱きしめられたりとかに慣れていない。  あたしは可愛い唯を他の誰かに見せたくなくて、解放した。
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