ライフ・タイマー

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「いや、あなたとは仲良くなれたんで最後に します」 ぬぅぁぁにぃぃぃ!!! 年寄りが、クスクス笑いをこらえている。 畜生!! このままでは、バスから降りれねぇ!   その時、頭がムズムズ してきた。髪を触ると、スルリと髪が抜け落ちた。 「なんだこれは!?」 その時、あの医者に 言われた事を思い出した。 『余命30分になると髪が抜け落ちます・・・・』 タイマーを見ると “29分38秒”。 そうか、これが医者の言っていた症状のことか!! 時間が足らない。 このままじゃこんな所で“死”を迎える!! 「それでは、そこの3人は降りていいですよ」 んっ!?  抜けた毛から目を離し 声のする方をみると。 ジジババ3人がバスから降りていた。 車内には、オレと ジャック犯と一人の ジジィと運転手の、4人だけになってしまった。 「なぁ、ワシも降ろしてくれ!!」 ジジィがよわよわしい 声で懇願した。 「ダメです。運転手以外にも人質がいなくては いけませんから」 「たのむ!! ばあさんが危篤状態なんじゃ!!」 ジジィは、ジャック犯の足にしがみついた。 「離せ!!」 ジャック犯は、もう片方の足でジジィを蹴り飛ばした。ジジィは抵抗も できずゴロゴロとバスの後ろの方に転がった。 「大丈夫ですか!?」 ジジィを起こした。 「ゴホォ!! ゴフォ!もう、大丈夫じゃ」 「おまえ、何してるか 分かってるのか!!」 オレはジャック犯に 向かって叫んだ。 「分かってますよ。私の邪魔をする者をおしおきしてやったんです」 「おまえ、何者なんだ? なぜバスをジャックした!?」 「私ですか?そうですね・・・神ですかねぇ」 「バカか!! おまえは、神なんかじゃない!!」 「話は最後まで聞き ましょう。ジャックする理由の事ですが簡単に 言います。 私は、去年受験に失敗しましてね。ぞくに言う ニートになってしまいました。 そんな私を両親は “社会のクズ”呼ばわりしたんです・・・」 「ほぅ、神様も受験に 失敗するんじゃの ・・ハハハ・・ハ・・・・・・空気違うか!!」 ジジィの無神経な一言がジャック犯の怒りの 導火線に火をつけて しまった。 「黙れ! うるさい! おまえのように私をバカにする奴等に仕返しが したいんだ!」 「仕返しって何するんだ!?」 「福島の実家でマスコミを集めあなた達3人を 公開処刑します。」
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