ライフ・タイマー

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オレの少ない命。 刺されて死んでもいい。タイマーが “18分10秒” まで迫っていた。 「そうと決まれば 急ぎましょう!!」 「そうじゃな。 GOOD LUCK!!」 親指を立ててウィンク をしている。 ホントに無駄に ダンディーなジジィ だなぁ。 「オイ、アンタ! こんな、くだらない事 やめなさい!」 ジャック犯がこちらを にらむ。 「くだらない。 ですか・・・?」 「あぁ、くだらなくて屁がでるわい! ほれ!・・・びぃ・・ぷぅー・・すぅー・・・」 ジジィの臭そうな屁が この密閉された空間に 放出された。 「くっ、くっさぁーーー!!」 「あれま、今回はちと 臭すぎじゃわい。」 ジジィが手でパタパタとあおぐ。 確かに臭い。腸が腐ってんじゃないのか!?この匂いだけでジャック犯が倒れそうだ。 「なんですかこの匂いは!!」 ジャック犯が窓を開けて換気しだした。匂いに気を取られている。 今しかない! オレは、いっきにジャック犯に近づく。 「今じゃ、 取り押さえろ!!」 先にジジィが足を つかんだ。 「っつ! 離しなさい!」 オレは、両手をつかんだ。あとは、包丁を落とさせ、取り押さえるだけだ。 しかし、追い込まれたジャック犯の抵抗は激しい。手汗で滑って、包丁を持っている手を離して しまった。 「おじぃさん逃げて!!」 「な、なに!?」 ジジィは、はうように して逃げた。しかし、 ジャック犯の方が 早かった。 「うぉっ!!!」 鋭い包丁の刃先がジジィの額をとらえた。血がまわりに飛び散った。 「死んでもらいます!!」 ジャック犯がもう一度包丁を振りかざした。 その時、バスが急停止した。 キィィィィーーーーーー!!
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