1984年テクノに融合

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1984年テクノに融合

前年からデジタル化にシフトチェンジしたサザンサウンドは、この年にシングルで大ヒットを結ぶ結果となる。 それが ミスブラウンニューディ この曲でサザンは昨年下半期の低迷した部分から再び首位の座に返り咲く事になる。 この年に発表したミスブラウンニューディは当初シングルではなく、「海」が候補曲であった。 しかし発売間際にそれは撤回され、ミスブラウンニューディがシングル化され、巧になったのは言うまでもない。 そしてアルバム 人気者で行こう このアルバムも前作からパワーアップし、さらにテクノロジーが活かされた作品に仕上がっている。 トップを飾る ジャパネゲは、ジャパンとレゲエをミックスさせた造語。 加え、和のテイストにレゲエ、歌詞が古文調ゆえ韻を踏むトコは今のヒップホップの原型ではないだろうか? その他に桑田は作詞家として発明もしている。 愛倫浮気症などがそうだ。 読みは、あいりんぶーけしょう。 ありそうでない日本語を歌詞に置き換え、より多くの情報量を音符に集約させる技法だ。 特に漢字で表記するのは、直訳的で長い文章よりも簡潔に音に乗せれる。実際、そんな日本語はないが、歌詞のこの技法で意味は伝わるのだ。 その他に 夕方hold on me この夕方はYou gattaと読む。 今では当たり前の様に色々なアーティストが使っているが、当時は斬新なやり方だっただろう。 作詞家桑田佳祐は常に日本語は英語に比べて、音符に対する情報量が上手くハマらない、ロックに向かない語圏であることに、コンプレックスを抱いていたのだから、この発明は偉大なる産物だったのかも知れない。 アルバム発表後、サザンは次のレコーディングの為、ロスへ渡米している。 その曲はシングル TARAKO この曲はサザンのシングル史上作詞が桑田ではない事、そして両面英語詞であり曲だけが桑田のクレジットになっている。この曲もミスブラウンニューディに続き、デジタル化したサウンドを表沙汰に出しきって、見事なまでの洋楽風なロックに仕上がっている。 この曲をリリースしたサザンは、いよいよ本格的なアルバム制作に入ろうとしていた。
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