星の宿り・真綿の檻

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 気がつくと、僕は暗闇の中に沈んでいた。  ここはどこだろうか。真夜中には違いなさそうだけど。なんだか、宙に浮いてるみたいだ。  フワフワした思いで、とりあえず僕は歩いてみた。    歩いても歩いても暗闇は続くばかり。  ひょっとしたら、同じ所をグルグル回っているのかもしれない。そういう自分を想像すると、なんだか可笑しい。  不思議な気分だった。  何も見えない暗闇なのに恐怖や不安は感じない。闇に溶け込んでしまったかのような安心感。  このまま自分を失ってしまうんじゃないか、と馬鹿げたことを考えていた時、ふと遠くで何かが光ったのを見つけた。  立ち止まり、目を凝らして見つめてみると、幾つもの光が次第に大きくなってきているのに気づいた。 「なんだろう……」  そう呟いている間にも、光達はどんどん大きくなっていく。  そうか。こちらに近付いて来ているのか。と、僕が理解したのは、大きな光の束がもの凄い早さで僕の頭上を飛び去った後のことだった。    光は尾を引いて、ずっと向こうの闇へと溶けていってしまった。  尻餅をついていた僕は、しばらくそのまま呆然としていたけれど、あれが何であるかということには気づいていた。  
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