星の宿り・真綿の檻

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 生まれつきの病……なのだと思う。  それしか知らない。  星の光は、どんどん弱くなる。  消え入りそうになりながらも、長い尾を引いて星は飛ぶ。  それを追う僕の額にも汗が浮いてきた。息を切らしながら、もうだいぶ淡くなってしまった白い光を見失わないように注意して走る。  正直、流れ星との追いかけっこは結構キツい。    しばらく走ると、闇の中にボウッと浮かぶ白い建物が見えてきた。  建物とは少し違う。白いスチールがむき出しの、鳥籠の形をした温室だ。  星は、その中へ真っ直ぐ入り込んだ。    ここが目的地。    肩で息をしながら、僕は改めてその温室を覗いてみた。  よく磨かれた硝子の向こうには、名前のわからない植物で溢れている。  恐る恐るドアを開け、温室の中に足を踏み入れると、どこからともなく声がした。 「誰?」  僕は慌てて辺りを見回した。が、姿は見えない。 「あ……。すみません。その、僕、流れ星を追いかけてて……」 「珍しいね」  声と共にガサッと何かが動く音がした。反射的にそちらを向く。  思わず息を呑んだ。  白銀の髪とサファイアの瞳。薄紅色の唇。年の頃は僕と同じくらいか。  華奢な体つきと真っ白な肌のせいか、消え入りそうに見えた。   「珍しい?」    
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