キラ・レイトバルーン

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ブォーン。 真夏の蒸し暑い教室に響くたった一台しかない扇風機の音と体感温度二度は上がる蝉の鳴き声。 そして、聞いてるだけで苛々してくる教師の講義の中、三年六組の生徒は真面目に授業を受けていた。 ただ一人を除いては。 一番後ろの席で明るい茶色の長い髪を机に広げ突っ伏している少女。 確実に夢の中。 教師がそれを発見してしまった。 「ゴホン・・・レイトバルーン。レイトバルーン」 「・・・」 反応無し。 教師の額に青筋が浮かぶ。 レイトバルーンと呼ばれた少女の前の席の女の子が慌てて彼女を起こす。 「キラっ!キラ!起きてよ!」 「んぅ・・・」 「やっと起きたのね!」 「ミッションクリア~フフフ・・・お給料倍増ですよぉ~」 「って寝言かよ!?」 女の子はペチンとキラと呼んだ少女の頭を叩く。
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