殷王朝第30代帝乙(ていいつ)第3王子・季子(きし)

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前1711年、夏王朝を滅ぼした湯王によって殷は成立した。 それから六百余年…殷は第30代帝乙の時代となっていた。 帝乙 「して、太師…こたびの治水の件だが…」 帝乙は朝廷にて太師聞仲(もんちゅう)等と治水工事について話し合っていた。 その時 ごごごごご… 帝乙 「むっ!?地震だ!! …収まったか…すぐに宮内及び朝歌内の被害を調べて参れ!」 商容 「はっ!」 しばらくして、商容が戻ってきた。 商容 「陛下、朝歌内はまだ今少しお待ち下さい。 宮内ですが、第1王子・啓(けい)様及び第2王子・衍(えん)様いずれもご無事でございます。 皇后様にもお怪我は無く、それどころか王子がお生まれになられました。」 帝乙 「何?男子が生まれたか… 地震の最中に生まれるとは、なんの前兆か…? 太師、すぐに調べて参れ! もし凶兆と出れば可哀相だが…殺してくれ。」 聞仲 「はっ!」 この時代、王朝は占いによって出てくる神の意思によって国を納めていた。 太師は軍師であると同時に、こういう占いもやっていた。 帝乙 「そうか、朝歌にも被害は無かったか…」 聞仲 「陛下、今占いの結果が出ました。」 帝乙 「おう、どうであった?」 聞仲 「はっ、地震の最中に生まれるとは強運な御方… これは吉も吉、大吉と出ました。」 帝乙 「それは良かった。 その子には季子と名付けよ。 太師、そなたを季子の教育係といたす。 季子には我が子として恥ずかしくない教育をしてくれ。」 聞仲 「はっ。お任せ下さい。」
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