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それから季子は太師聞仲の元、厳しい教育を受けた。
季子には二人も兄がいたが、文武両道において二人の兄より遥かに優れていた。
諸侯は季子に対して大きく期待し、帝乙も良き跡継ぎが出来たと内心喜んだ。
季子誕生から八年過ぎたある日…
聞仲・商容
「陛下、失礼致します。」
帝乙
「おう、我が国の太師に宰相がお揃いとは…
一体なんだ?」
商容
「はっ、季子様のことですが…」
帝乙
「季子が何かしたのか?」
商容
「いえ、季子様の才能には目を見張るものがございます。
陛下もそろそろ40…後継者をお決めになる頃です。
季子様を後継者になさるのがよろしいかと…」
帝乙
「うむ、それは儂も考えておったが…
諸侯や諸大夫等に異議のある者はおらぬか?」
聞仲
「それはまず大丈夫かと…
季子様は文武に優れ、民や家臣に優しく接し、父母や兄を敬ってなさいます。
これで人望を得ぬはずがありません。」
商容
「四大諸侯を始め、諸侯・諸大夫は全員季子様に期待しております。
季子様が皇太子になるのに反対する者はいないでしょう。」
帝乙
「よし、では季子を皇太子にすると諸侯に伝えよ。諸大夫には明日の朝廷にて発表する。
皇太子となるからには名前を変えねばならぬ。
そうじゃのう…寿王でどうじゃ?」
聞仲
「よい名前でございます。」
因みに、先ほども言ったが季子…寿王には二人の兄がいるが、この時代は皇太子には長男がなるという決まりは無いため、三人は特に気にせずに話しをしている。
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