殷王朝第30代帝乙(ていいつ)第3王子・季子(きし)

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それから季子は太師聞仲の元、厳しい教育を受けた。 季子には二人も兄がいたが、文武両道において二人の兄より遥かに優れていた。 諸侯は季子に対して大きく期待し、帝乙も良き跡継ぎが出来たと内心喜んだ。 季子誕生から八年過ぎたある日… 聞仲・商容 「陛下、失礼致します。」 帝乙 「おう、我が国の太師に宰相がお揃いとは… 一体なんだ?」 商容 「はっ、季子様のことですが…」 帝乙 「季子が何かしたのか?」 商容 「いえ、季子様の才能には目を見張るものがございます。 陛下もそろそろ40…後継者をお決めになる頃です。 季子様を後継者になさるのがよろしいかと…」 帝乙 「うむ、それは儂も考えておったが… 諸侯や諸大夫等に異議のある者はおらぬか?」 聞仲 「それはまず大丈夫かと… 季子様は文武に優れ、民や家臣に優しく接し、父母や兄を敬ってなさいます。 これで人望を得ぬはずがありません。」 商容 「四大諸侯を始め、諸侯・諸大夫は全員季子様に期待しております。 季子様が皇太子になるのに反対する者はいないでしょう。」 帝乙 「よし、では季子を皇太子にすると諸侯に伝えよ。諸大夫には明日の朝廷にて発表する。 皇太子となるからには名前を変えねばならぬ。 そうじゃのう…寿王でどうじゃ?」 聞仲 「よい名前でございます。」 因みに、先ほども言ったが季子…寿王には二人の兄がいるが、この時代は皇太子には長男がなるという決まりは無いため、三人は特に気にせずに話しをしている。
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