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私は緊張していた。
周りの木々が風で揺れ、葉がざわざわと音を立てる。
血糊のついた葉が、妙なしぐさをしているのがわかる。
がらあな「ぐらぁあっ」
虎が飛び上がった。
女が乗っていた鳥が恐怖のあまり逃げ出したのだ。幸い、鳥が早くて助かったようだったが。
私はしばらく後を追って、急勾配の坂で止まった。
虎は私のことを知っている。このまま走ればカウンターを食らうのは目に見えているからだ。
案の定虎は身を翻して飛び上がった。
しかし着地点にいるはずの私がいない上に坂だったため、虎は派手に転んだ。
だがこのままでは私は殺されるだろう。虎穴に入らずんばなんとやらだ。
私は側にあった手ぬぐいを拾って、虎が向かってくるタイミングに合わせてジャンプした。
私の作戦は成功し、虎に目隠しをしてやることができた。
とらは鼻が聞かないらしかったので、小石を崖の方へ投げてやると、音に釣られて一緒に崖に落ちた。
私「ふぅ・・・」
女が戻ってきた。
私は経緯を説明し、仙人の元へと案内してもらった。
おわり
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